Avid | Edit On Demandクラウドソリューションが『マチトム』の冒険をサポート

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Avid | Edit On Demandクラウドソリューションが『マチトム』の冒険をサポート

目次
左:株式会社ロボット プロデューサー 八木 佑介 氏
右:株式会社IMAGICA Lab. 編集技師 西尾 光男 氏

映画制作の現場は、最先端の技術と100年の伝統とが融合された、ある種特異な空間です。撮影に最新鋭の機材を使用していても、その用語や技法はフィルム時代のものが今でもそのまま使われます。編集作業においても、システムメーカー各社の最先端技術は映画を最高目標として開発されますが、その根底にあるのはスプライサーで切りテープで貼る、脈々と受け継がれたフィルムの編集技術であり、手法です。

日本のポストプロダクションの中核的存在である株式会社IMAGICA Lab.は、そんな映画制作のポストプロダクションワークフローに変革を起こし続けてきたパイオニアでもあります。編集を担当した西尾 光男氏も、日々の制作業務の中で、そうした新しい変革を常に追い求めていました。

クラウドソリューションも西尾氏が興味を持っていた分野の一つです。したがって、Microsoft Azureのクラウドインフラ上に構築したMCとNEXISのSaaSクラウド編集パッケージ『Avid | Edit On Demand』に西尾氏が興味を持つのは、ある意味自然な流れでした。

「Avid | Edit On Demandのことは、セミナーやイベントなどで以前から知っており、興味を持っていました」(西尾氏)

2021年2月4日リモートインタビューの様子

複数コンテンツの同時制作

映画『都会のトム&ソーヤ』は、小中学生に絶大な人気を誇る同名小説をベースにした作品で、当初2020年7月末の公開を目指して、同年3月には撮影が開始されていました。しかし、新型ウイルス感染症COVID-19(以下「新型コロナウイルス」)の影響により、撮影は一旦中止。再開されたのは同年10月に入ってからでした。

「変な言い方ですが、これはAvid | Edit On Demandを試してみるチャンスだと思いました。以前から、Avid | Edit On Demandを使用することで、作業場所をシームレスにし、非立ち会い時の編集室のコストが減らせる、また、物理的な距離も関係なく複数人が同時作業できることで、労務管理の面でもメリットがあると考えていました。」(西尾氏)

「この作品について言えば、映画本編と並行して複数コンテンツを同時に制作する可能性があったので、編集システムは2ライン、作業担当は編集メイン2名、編集アシスタント1名と決めていました。しかし、3名が同じスタジオに入って長時間作業するのは、この状況下では良いことではありません。3名が距離を保ち、かつ効率よくデータを扱うにはどうすればいいか。これらの課題を考えたとき、Avid | Edit On Demandを試したいと考えました」(西尾氏)

西尾氏は、このアイデアを作品の制作プロデューサーである株式会社ロボット 八木佑介氏に提案しました。

「新型コロナウイルスの感染が広がる中、編集チェックで人が集まるので、どうしようかと思っていたところでこの話がありました。初めてのことなので不安はありましたが、複数コンテンツを同時進行で制作しなければならないので、効率も上がるかと考え、試してみることにしました」(八木氏)

西尾氏はすぐに株式会社フォトロンに導入の相談をし、Avid | Edit On Demandの仕様が決定したのは2020年10月。その後すぐにAvid Master Accountにライセンスが追加され、翌11月にはそのまま実運用に入りました。

[編集室にて] 左:フリーランス 編集助手 泉 さゆり 氏 / 右:西尾 氏

Zoomで共有&コミュニケーション

撮影はAVC-I Vlogの4Kで行われました。撮影されたすべての素材は、IMAGICA Lab.インジェストチームでAvid DNxHD 36のオフライン解像度に変換、自社運用するメディア共有サービス『CONEPIA』を使って編集チームに受け渡し、編集助手がデータ整理をした後、クラウド上に存在するAvid | Edit On DemandのAvid NEXISへ転送します。

「オンプレミスとクラウドは、どちらがメインでどちらが補助というわけではなく、完全な2ラインとして作業できるようにしたかった。今回使用したAvid | Edit On Demandシステムは、Media Composerが1台、Avid NEXISが1TBのものですが、今作は基本1カメだったこともあり、使用する全てのオフラインメディアを合計しても、DNxHD 36なら900 GBで間に合いました」(西尾氏)

オンプレミスのシステムとクラウドのシステムは、その制作内容や要求されるフローによって振り分けました。

「制作するコンテンツよって監督が変わり、編集室で確認したい監督と、リモートで確認したい監督とに分かれたので、編集室に来られないプロデューサーへのプレビューや、監督がリモートを希望された場合はZoomを使用しました」(西尾氏)

Avid | Edit On Demandを使用してプレビューを行う場合、クライアントにインストールされたZoomを使ってMedia Composerのフルスクリーン再生のモニターを共有し、コミュニケートします。

「Avid | Edit On Demandが手元のマシンのマイク入力を拾ってくれたので、コミュニケーションにも同じZoomを使用しました。監督からは『これで全然いいね』と言ってもらえました」(西尾氏)

八木氏もリモートでのプレビューを体験した一人です。

「ある程度の映像のコマ飛びやカクつきは覚悟していたのですが、画質的にも映像的にもまったく問題なく、自宅のWi-Fiでも何も問題ありませんでした」(八木氏)

[リモート先にて] フリーランス 編集技師 菊地 史子 氏

「新しい可能性が広がる気がしています」

Avid | Edit On Demandを使ったのは初めてでしたが、西尾氏には作業自体のストレスはなかったと言います。また、リモートならではの即応性の結果、全体の作業時間や拘束時間も短くなったと感じています。

「それまでも他社のクラウド編集のシステムを試したことはあったのですが、レスポンスや画音のズレの問題などがあり、なかなか実用には至りませんでした。でも、Avid | Edit On Demandは違いました。自宅からアクセスしても画音のズレもなく、コマ送りや編集時のレスポンスもとても良い。実はリモートでのプレビュー時に、監督には内緒でオンプレミスからAvid | Edit On Demandのシステムに切り替えたりしたのですが、気づかれなかったくらいです(笑)」(西尾氏)

「これまで、プレビューに立ち会えない方は、QuickTimeを送って確認して頂き、後日打ち合わせという流れでしたが、Avid | Edit On Demandなら編集室にいなくても同時に見ることができて、率直な感想が聞けるという点でとてもよかったと思います。今後、新型コロナウイルスの問題が落ち着いて実際に集まれるようになっても、忙しくて現場に行けないような時には、このやり方はとても効率がいいと思います。何しろストレスがないので、問題ないと感じています」(八木氏)

「オフラインは編集に大きな容量が必要になっても、そのためにAvid NEXISの実機を追加することは難しい。しかし、クラウドであれば一時的にAvid NEXISの容量を増やせるので、これはとてもありがたい。スケジュールも予算も削減できて、かつクオリティを上げるアプローチになると思います。リモートなので、朝自宅で思いつたことをその場で実践できるのもとても効率がよかった。今後、地方や海外の案件でもアプローチできる、新しい可能性が広がる気がしています」(西尾氏)

『都会のトム&ソーヤ』
2021年夏・公開予定
https://machitom.jp/

(Avidブログ2021年3月3日掲載分より転載)

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